TOKYO FM / JFN 38 STATIONSTOKYO FM / JFN 38 STATIONS 番組宛に手紙を贈る

SUNDAY'S POSTSUNDAY'S POST

『手紙から始まる物語。』
ここには、様々な思いが詰まった手紙が毎週届きます。
読むと、送り主のことがもっと知りたくなってきます。
日曜の午後3時、1通の手紙から始まる物語。
手紙の送り主にじっくりお話をうかがいながら、
手紙を受け取る喜び、手紙を送るワクワク感、
手紙に詰まった想いをラジオを通して全国に届けます。
from

NEWSNEWS

胡椒は果物? クラタペッパー 倉田浩伸さんと胡椒のお話

  • ON AIR
  • 2025/06/08

クラタペッパー 倉田浩伸さんをお迎えして

写真 今回はスタジオに、「クラタペッパー」の倉田浩伸さんをお迎えしました。
写真 宇賀「今日は、『普段はあまり考えないけど身近なもの』シリーズです。どのご家庭にもあるんじゃないかな、という“胡椒”について考えていきます。原産は古代インド。古代ローマでは“黒い金”と呼ばれ、貨幣のように扱われていました。中世ヨーロッパでは富の象徴となり、大航海時代の探検や、貿易競争のきっかけにもなったということなんですね。日本へは奈良時代に伝わり、当初は薬として貴族の間で珍重されていましたが、江戸時代には庶民にも広まり、食文化にも深く浸透したそうです」

小山「奈良時代からあったんですね!」

宇賀「すでに知らないことだらけですけど、そんな胡椒をカンボジアで栽培されている、クラタペッパーの倉田浩伸さんをお迎えしました」

倉田「よろしくお願いします」

小山「そもそも、カンボジアで胡椒を育てているのはなぜですか?」
写真 倉田「ちょうどカンボジアが和平締結をされた91年の1年後に、学生の頃に国際ボランティアでカンボジアに入ったんです。今でいう緊急救援活動のような感じで。地元の人たちが戦後復興につながる何かをお手伝いできないかということで、現地のNGOで就職をしたんです、学校を作ったりとか。でも学校を作ってもご両親の現金収入がないということで、通える子が増えない。じゃあ何か現金収入ができることをカンボジアでお手伝いできないか、戦後復興の礎になるような何かができないかということで、NGOを辞めて起業したところが最初のきっかけになります」

小山「それまで胡椒に興味があったわけでもなく?」

倉田「まったく」

小山「でも胡椒がいちばん栽培しやすかったんですか?」

倉田「胡椒がというよりは、カンボジアで農作物をいろいろ作れるものということで。内戦で疲弊をして一回ほとんどなくなってしまっているので、古いデータをもとに調べていったらカンボジアの内戦の前、60年代に胡椒がヨーロッパでとても人気があったと。それをもう1回、調べてみようということから始まったんです」

小山「胡椒というよりはカンボジアが最初の主語だったんですね」
写真 宇賀「カンボジアと日本を行き来するようになってどのくらい経つんですか?」

倉田「92年の8月にボランティアで入って、そのままずっとカンボジアがメインで生活しているので、もうそろそろ33年になりますね」

宇賀「今もカンボアジアがメインなんですね。カンボジアってどんな国ですか?」

倉田「アンコールワットの遺跡なんかもとても有名な国ですけど、国土としては日本の本州の3分の2くらいの大きさで自然が豊かで、自然災害がほとんどないですね。台風も来ないし地震もないし、1年中暖かい。本当にユートピアのような国ですかね」

宇賀「そこで胡椒は育ちやすかったんですか?」
写真 倉田「もともと胡椒はあったんですよ。いろんな書物を見ると、13世紀ですね、アンコール・ワットの時代に訪れた中国の人が、『すでにカンボジアには胡椒がある』と書いているので、その時代からずっと胡椒は作られていたのではないかと。ヨーロッパの人たちが、さっきも言っていただいたように大航海時代で引き金になった胡椒が、カンボジアにも良質なものがあったということで、植民地になっていくという歴史があるので。ヨーロッパの方の人たちに向けて栽培されて出荷されていたという記録はあります」

小山「そもそも胡椒は木なんですよね? どのくらいの高さなんですか?」

倉田「胡椒はツル科の植物なので、高くしようと思えばどのくらいでも伸びていくんです。ただあんまり高いと収穫も大変なので、うちの畑で5メートルくらいですね。4メートル半から5メートルくらいの支柱に巻きつかせるような形で育てていく」

宇賀「胡椒の実ですよね、あれは。あれはどんな感じで?」

倉田「山葡萄とか山椒とかの実をイメージしていただくとわかりやすいかもしれないですね。葡萄の実のちょっと小さい感じ。要は胡椒は果物ですね。果実です」
写真 小山「果実なんですか、知りませんでした!」

倉田「乾燥させているから、ドライフルーツ。皆さんが知っている黒胡椒はドライフルーツです」

小山「僕、てっきり種だと思っていました。種ではないんですね」

倉田「あれ全体でひとつの果実」

小山「あの中にまた種が入っているんですか?」

倉田「そうです。種があって果肉があって皮がある。完熟させると甘くなります。ここにお持ちしている完熟胡椒というのが、ほんのり甘い香りがします」
写真 写真 写真 宇賀「今日は実際にクラタペッパーの胡椒をお持ちいただいているんですよね」

倉田「はい、まずはオーソドックスなのが皆さんご存知のブラックペッパー。種の辛みと皮の香りを楽しんでいただくというのがこちらです」
写真 小山「今まで胡椒を種とか皮とかの感覚で考えたことなかったですよね。(香りをかいで)あー、今かいだ瞬間にカルボナーラが食べたくなりました(笑)」

倉田「ブラックペッパーは緑の未熟な実を干して作っているので、柑橘系のフレッシュな香りを楽しんでいただく。辛み成分も大粒で出来上がっているので、辛みで肉の臭み消しにも使っていただけるのがブラックペッパーなんです」

小山「実のどの成分が辛みに繋がるんですか?」

倉田「種の部分ですね」

小山「へー!」
写真 倉田「こちらは完熟胡椒といって、果肉が赤く甘くなるまで置いたものを干した黒胡椒です。粒の状態でまず、香りをみていただくと」

宇賀「本当だ、ドライフルーツの香りがする。甘い」

小山「チョコレートみたいな香りもしますね」

宇賀「全然違うんだ!」
写真 小山「完熟させた方も食べると甘みを感じたりするんですか?」

倉田「そうなんですよ、ぜひ(胡椒を挽いて)」

宇賀「挽くとツンとした感じがしますね」

小山「普通の胡椒になりますね」

倉田「つまんでみていただくと、甘み成分、旨み成分が分かっていただけるんじゃないかと」

小山「(食べて)あ、でもやっぱり辛いですね。辛いですけど、旨みがありますね、完熟している方が」

倉田「完熟させると味のある胡椒に仕上がるんです。クラタペッパーでは、完熟胡椒 ライプペッパーという名前で販売しています」
写真 小山「こちらの方が値段的には高くなるんですか」

倉田「そうなんです。完熟した胡椒は一粒ずつ収穫しなきゃいけなくなるんですね。胡椒の実は一気に全部赤くならないんですね、順番に赤くなっていくので一粒ずつ収穫しないといけない。それが大変で、他のメーカーさんは誰も真似をしていないというのが現状ですね」
写真 小山「倉田さんはカンボジアでご自身も畑に出られるんですか?」

倉田「出ています」

宇賀「現地の方たちとお仕事をする中で大事にしていることは?」

倉田「やっぱりコミュニケーションですね。お互い話をしながら理解し合うというのが大事じゃないかなと」

小山「栽培の中でいちばん大変な作業はどんな作業なんですか」
写真 倉田「胡椒は日陰の植物なんです、元来。カンボジアの雨季のあいだは、うちの畑のエリアは日照時間が1ヶ月で3時間だったりするエリアだったのですが、世界的な気候変動で雨季の間でも晴れ間が出たりして。その間に人工的に屋根をつけてあげたりしなきゃいけなかったりとか。そうすると今度は雨が浸透しないので雨量を調整したりとか。空を見ながら水の量と日照時間を調整していくのがいちばん大変かなと思います」

小山「倉田さんにとって胡椒とはなんぞや、と聞かれたら何と答えますか?」

倉田「人生になっちゃうんですかね」

小山「すごい、胡椒を人生と言い切れる。かっこいいですね」
写真 宇賀「この番組はお手紙をテーマにお送りしているのですが、今日は『今、想いを伝えたい方』に宛てたお手紙を書いてきていただいているんですよね。どなたに宛てたお手紙ですか?」

倉田「いろいろ考えたんですけど、胡椒のことを伝えたいという思いがあるので、この番組をお聞きの皆さまへということで書かせていただきました」
写真 倉田さんから、番組をお聞きの皆さんへ宛てたお手紙の朗読は、ぜひradikoでお聞きください(*6月15日まで聴取可能)。

宇賀「今日の放送を聞いて、倉田さんにお手紙を書きたい、と思ってくださった方は、ぜひ番組にお寄せください。責任をもってご本人にお渡しします。
【〒102-8080 TOKYO FM SUNDAY’S POST 倉田浩伸さん宛】にお願いします。応募期間は1ヶ月とさせていただきます」

「クラタペッパー」Webサイト

倉田浩伸さん、ありがとうございました!
写真 今回の放送は、radiko タイムフリーでもお楽しみいただけます。

「SUNDAY’S POST」Xのアカウントはこちらから。
写真

皆さんからのお手紙、お待ちしています

写真 毎週、お手紙をご紹介した方の中から抽選で1名様に、大分県豊後高田市の「ワンチャー」が制作してくださったSUNDAY’S POSTオリジナル万年筆をプレゼントします。
引き続き、皆さんからのお手紙、お待ちしています。日常のささやかな出来事、薫堂さんと宇賀さんに伝えたいこと、大切にしたい人や場所のことなど、何でもOKです。宛先は、【郵便番号102-8080 TOKYO FM SUNDAY’S POST】までお願いします。

今週の後クレ

写真

富山南郵便局のみなさん


今回のメッセージは、富山県〈富山南郵便局〉石黒 宏祐さんでした!

「私が勤める郵便局は富山市の中心部に位置しています。晴れている日は、市内から雄大な立山連峰がとても綺麗に見えます。高校や大学の卒業時に後輩たちから寄せ書きをもらったことや、マネージャーの方から手紙をいただいたことがすごく嬉しかったです。今でもたまに見返したりするのですが、紙として残っている手紙は、非常に心が温まるものだと思います。メールやSNSだと誰が書いても同じ書体になるのですが、手書きの文字は人によって違うので、『この字はあの人の字だな』と感じることができ、心温まる気持ちになります。」
MORE

ARCHIVEARCHIVE

MORE

CONTACTCONTACT

番組宛に手紙を贈る

この番組ではみなさんからの手紙を募集しています。
全国の皆さんからのお便りや番組で取り上げてほしい場所
を教えてください。

〒102-8080 東京都千代田区麹町1−7
SUNDAY'S POST宛

番組への要望・リクエストを送る

番組宛にメールでメッセージを
送るにはこちらから

詳しくはコチラ